読んで記憶が新しいウチに感想を。
現在3巻まで発売されている六花の勇者は
戦う司書シリーズで有名な山形石雄氏による作品で、
ストーリー的には途中も途中な訳ですが、
このラノ2013年3位に入るなど今巷で話題な作品の一つです。
黙っていてもそのうちアニメ化しそうな作品なので、
今のうちに読んでおきましょう。
内容に関しては思いっきりファンタジーでありアドベンチャーです。
1巻ではミステリー要素があるみたいな空気を出していますが、
正直ミステリーではないです。
そして2巻3巻と続くにつれミステリー要素が薄くなっていくというか、
そもそも謎ですら無いのでそちらの方向で期待しない方がよいかと。
もちろん個人の感想です。と保険をうっておきますが…。
というのも
謎というのは解くものですよね。
ですが、六花の勇者の場合は謎と言うよりは障害です。
障害は乗り越えるものであり、
ミステリーというよりはファンタジーの中の困難の一つであると思いました。
ですがファンタジーアドベンチャーとしてみたらこの作品は大変面白いです。
7人の中に偽物が混じるという疑心暗鬼になってしまうキャラクター達や
何時誰が死んでもおかしくはない差し迫る展開など、
状況の二転三転がどう転ぶのかが大いに見物となっています。
一体どうなってしまうのかと続きが気になる引きなのも
続刊が楽しみになる要素の一つです。
キャラクターに関しては
おそらく本編の主人公であるアドレットが
大して強くないのに頭が良いのと仲間の信頼を勝ち取る力があるというのが
戦闘を主体としたファンタジー作品では珍しいキャラだと思いました。
主人公無双も嫌いではないですが度が過ぎるとワンパターンになりがちなので、
たまにはこういった主人公も格好いいし面白いと思いますね。
僕は頭が良い主人公が好きなので
アドレットみたいなキャラは好きです。
さてここからは内容に触れるので
ネタバレ注意です。まず1巻ですが
確かに誰が偽物の勇者なのか?
という展開は非常に面白かったです。
誰もが本物に見えましたし、アドレットが追い詰められる展開も
ハラハラもののストーリーでした。
ですが、偽物に関しては普通に分かるレベルの謎です。
謎というか明らかに怪しい奴がそのまま偽物なので結局お前かというお話。
だってあの状況でアドレットが犯人でなければ姫しかいないじゃない。
霧の発生方法を教えてくれたあいつらがまずグルだったってのは若干卑怯だけど。
2巻になると
モーラとか言う裏切り者のくだりは正直微妙だった。
というか踊らされすぎと言うか何というか。
一度殺されたのに許しちゃう仲間や特にハンスなんかは
ものすごい器の大きさを感じましたが。
謎っぽいものに関しては2巻はまったくありませんでした。
そもそも冒頭で後半を囓っているのでなぜそうなったのかという
答え合わせ的なストーリーになっていたので。
あとテグネウが送った手紙について言及されませんでしたが
本当は送ってなんかいなかったのでしょうか?
誰が何の嘘をついているのかが分からない作品なので、
何が起こっても不思議ではないのですが。
3巻はゴルドフと姫の話。
これも正直微妙かと。
まず謎っぽい展開になっていますが、そもそも解かせる気がない。
姫の偽物なんてアドレット側の立場から分かる要素ありませんし、
結局ゴルドフ無双で終了。
裏切った姫なんかキャラとしては微妙で好きになれないのですが、
ゴルドフが執着しているというややこしい流れでこの巻は終わっています。
3巻で疑問に思ったのは
テグネウが仕込んだもう一人の偽物の勇者は誰かということ。
六花の勇者は6人構成な訳ですが偽物が2人いた訳ですね。
一人は姫なのでもう一人は誰だろうと。
順当に考えれば一番怪しいのフレミーなんですが、
ど真ん中ストレートを投げて来るとは思えないのでおそらくこれはミスリードかと。
3巻でゴルドフとチャモはほぼ無実と分かるので、
これに2巻の流れでモーラを除くと残るは、
アドレット、ハンス、ロロニアの3名となります。
どれも怪しいのですが、
こうなると途中から来たロロニアがちょっと怪しいかなぁと。
別に特に理由は無いのですが、
回復が使えて血の分析が出来る便利なキャラが敵だとやっかいそうですよね。
っていう推理でもなんでもないただの憶測なんですが、
ロロニアが敵の場合テグネウが
姫の左腕をもぎ取る必要は無かったので、
そう考えるとやはり違うかもしれません。
ただハンスが裏切り者だと
ドズーで足止めする必要が無いですし、
アドレットだったらもう色々と訳が分からないことに。
ということで現時点ではほとんど分かりません。
作中でもボロを出していないらしいですからね。
次に先ほどの解かせる気がないという件は
まずロロニアの血分析の結果もそうですが
刃の力を使えて、見た目も口調も完全にマネ出来て
それは全て凶魔の仕業だったんです!
とか言われても困ってしまいます。
そんなの知らんがな(´・ω・`)
1巻はまだ解かせる気があった分謎っぽさがあったけども。
今後の話としては
六花5人と姫+ゴルドフと偽物1人という構図で旅するんですかね。
なんか話的に姫死にそうですけど、どうでしょう。
最終目的が違う時点で相容れないので最後は誰かに殺されそう。
僕としてはどうもこいつらがあまり好きになれないなぁ。二回目ですが。
やはり何が不満だったって
アドレットが活躍しないと面白くないということですね。
基本アドレット視点で物語が進んでいるので、
視野の外で話を進められても置いてけぼり感が出てしまうのだと思います。
アド君から推理パートを取ったら何が残ると言うんだ…。
ということで
思ったよりも長くなりましたが
六花の勇者非常に楽しんでおります。
4巻がとても待ち遠しいです。
文句ばっか目立つのは愛情の裏返しです。
個人的にはアドレットとハンスが特にそうですが、
全体的に良キャラクターが多いですしね。
そこら辺にラノベの良さがすごい出ていると思います。
幻想的な挿絵も不気味さを表現出てきていい感じです。
漫画版は買うか分かりませんがアニメがやったら確実に見たいと思います。
アニメでやるとなると色々と難しそうですがね。
ちなみに1巻が一番面白いです。